次世代ポストゲノム研究センター
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 生命科学はヒトゲノム計画の終了後、全遺伝子の機能解明に向かいつつある。分子レベルを基盤として細胞や組織の機能解析を進め、個体としての総合的機能を評価することが現在の生命科学の大きな課題である。本ハブで遂行するフォトバイオイメージングは、独自の一分子診断から人体を対象とする画像診断までを統合し、遺伝子を中心とする分子レベルを基盤として生命活動の解明のために光を中心技術として総合的に理解しようとするものである。フォトバイオイメージング研究は生命科学の根源に関与するためにその研究対象は多岐にわたる。そこで研究創出を遂行するために研究対象を大きく三つに分ける。各々は分子レベル、細胞・臓器レベルであり、最終的には生体丸ごとにおいて標的分子の働きを時間的・空間的に計測し、その分子の生きた機能を「光」で探ろうとするものである。


細胞機能イメージングとタンパク質凝集体のイ メージング解析

 細胞内ではタンパク質の折り畳み(フォールディン グ)・分解、細胞内遺伝子ネットワーク、分化シグナ ルの伝達など様々なシステムが稼動している。このよ うな細胞のシステムの機能創生・変換を総合的に理解 するために、蛍光相関分光(Fluorescence Correlation Spectroscopy)イメージング法の確立を目指す。FCS は単1分子検出に基づき非常に高感度であるが、生細 胞測定へ応用する場合、細胞内の任意の点を1点ずつ でしか測定出来ないことが問題であった。それを解決 するため、我々は空間変調素子を利用した新しい多点 同時蛍光相関分光装置の製作に挑んでいる。  また、従来のFCS測定技術に加え、細胞全体を網羅 的に観察するために他の光学的手法(FRET:蛍光エ ネルギー移動測定法やFLIM:蛍光寿命測定など)を あわせて用いて、ミスフォールドしたタンパク質が細 胞内で凝集体を形成していく過程を解析した。これま での結果、神経変性疾患のひとつである筋委縮性側際 硬化症(ALS)の原因と考えられている変異型SOD1 タンパク質が脱凝集時に細胞毒性を獲得する可能性 があることを示した。さらに、別の神経変性疾患であ るプリオン病の原因タンパク質(プリオン)が、三量 体を構成単位としたオリゴマー化を介して凝集して いくことを示した。これらの結果は、神経変性疾患に おける神経細胞死が、凝集体をつくりやすいタンパク 質のオリゴマー化と密接なかかわりがあることを示 唆している。

図の説明
1.蛍光相関分光装置の研究風景.
2.培養細胞内のタンパク質凝集体をGFPで可視化したもの。
3.細胞内タンパク質凝集体のFRET-FLIM解析。
  (左)凝集体の蛍光画像。
  (右)凝集体内部の蛍光寿命を求めるためのカーブフィッティング解析画面。


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