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生命医薬科学
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概要  

 21世紀に入り、創薬のコンセプトにも革命的な変革が起きており、ゲノム情報に基づく「ゲノム創薬」を目指すことが可能となりつつあります。本コースでは、新しい分子設計理論、構造生命科学、ゲノム創薬の科学とテクノロジーに立脚した新しい人材養成プログラムを構築し、生命医薬科学の領域で独創性を発揮できる研究者の養成を目指しています。具体的には、遺伝子発現ネットワークとその破綻としておこる様々な疾患との関わりの解明、タンパク質の構造解析や分子レベルでの構造機能相関、疾患に関与する標的分子の特定とそれらに作用する分子の設計と合成、ゲノム情報に基づく複雑な生体系防御システムの理解、更にはテーラーメイド治療を指向した疾患の原因と予防、新規医薬品の開発とその使用の個別化についての研究・教育も行います。

教育分野  

■創薬化学

 新薬の開発は、疾患関連遺伝子あるいは病態情報などから想定される創薬標的分子の機能を制御(抑制あるいは賦活)する化合物を創製することです。本分野では、創薬標的となるタンパク質と医薬品との有機化学的な相互作用(分子認識)の結果として薬理活性が発現するとの考えに基づいて、有機化学に基づく創薬法を学びます。さらに、リード化合物の構造に基づく論理的な薬理活性最適化の方法論や、標的タンパク質の構造に基づく分子設計法などを研究・教育します。

担当教員: 松田彰周東智市川聡有澤光弘

■創薬天然物化学

 本分野では、生物活性天然分子の分離・精製法、2次元NMRや高分解能質量分析などの最新機器を用いる構造決定法、および立体化学決定法についての原理、手法ならびに解析法を学びます。また、生物活性天然分子の生命科学研究や創薬への応用を探ります。さらに、天然からの供給が困難な複雑かつ特異な構造を持つ生物活性天然物およびその類縁体の全合成を達成するために、合理的な逆合成解析法の案出、効率的な合成の鍵をなす高選択的合成反応の開発などに関する研究・教育を行います。

担当教員: 小林淳一橋本俊一久保田高明

■有機金属反応学

 近年の有機合成化学では周期表上のあらゆる元素、特に遷移金属などが積極的に利用され、従来の有機合成化学では想像もできなかった方法で機能性分子や生物活性化合物の合成が達成されています。本分野では、有機金属錯体によって進行する新しい反応・分子変換法の開発を中心に、触媒的不斉合成への展開、独自に開発した方法を用いた有用化合物の合成法の開発、更には環境調和型分子変換プロセスの確立などに関する研究・教育を行います。

担当教員: 佐藤美洋高橋保小笠原正道齋藤望

■細胞分子薬学

 遺伝子はその遺伝情報に基づいて生合成される酵素などの機能タンパク質および酵素により産生される生体分子の働きを通して生命現象を支配しています。本分野では、生命現象の最前線で働く機能性タンパク質や脂質分子の生理機能、細胞内動態、代謝を制御するシステムについて学びます。その上に立って、細胞における重要な生命現象である細胞周期や細胞分裂、分化、形態形成とその制御の分子機構について学びます。さらに、タンパク質や脂質の代謝異常に基づくアルツハイマー病や脂質異常症などの疾患との関連を学び、生体分子機能の正常化のテクノロジー開発を通して創薬への応用を探ります。

担当教員: 鈴木利治木原章雄山本融森島真帆佐々貴之多留偉功

■生体情報制御学

 疾患治療に大きく貢献している薬物療法は近年著しく進展していますが、これは近年の生体情報制御機構に関する細胞・分子レベルでの研究の進展と、それに対する薬物の作用機構の解明によるところが大きいと言えます。本分野では、アポトーシスや細胞膜・細胞内小器官が関わる細胞内シグナル伝達、細胞内でのタンパク質・脂質の輸送などに関与する細胞情報制御機構、さらには、神経・精神疾患等に関与する神経情報制御機構について、細胞・分子レベルでの基礎および最新の知見を学習するとともに、病態形成や薬物作用との関連についても学びます。

担当教員: 南雅文武田宏司

■医薬ゲノム機能学

 さまざまな疾患の原因遺伝子の解明が進み、ゲノム情報に基づくゲノム創薬が可能となりつつあります。本分野では、ゲノム創薬の基礎となる遺伝情報発現の分子機構、正確な遺伝情報の維持・伝播のための校正・修復機構について学びます。その上に立って、動物細胞における遺伝子発現ネットワークと、その破綻としての遺伝病や癌などの疾患との関連を学び、ゲノム創薬への応用を探ります。

担当教員: 有賀寛芳松田正南保明日香米田宏

■医薬構造生物学

 生体の細胞機能は外からの刺激物質の受容と応答、即ち、細胞情報伝達を介して制御されています。細胞内情報伝達機構を理解する上で、情報伝達に関与する分子間の相互認識機構を解明することが不可欠であり、そのために、生体高分子の高次構造を詳細に解析することが必要になります。本分野では、タンパク質等の生体高分子の構造解析法および機能解析法を学び、分子レベルで構造機能相関を理解し、タンパク質の分子構造の情報をもとにして、それを制御する化合物の探索や設計のテクノロジーを学び、様々な疾患に対する分子創薬への応用を探ります。

担当教員: 前仲勝実尾瀬農之

■薬物動態制御学

 疾患に対して最適な薬物療法を実行するためには、正しい薬剤の選択を行うことが必要です。本分野では、治療に必要な薬物の体内動態解析に基づく薬剤投与の最適化、そして、疾病への正確な薬学的診断および患者の臨床状態を正しく把握し、その疾病に最適な薬物療法の開発、さらに、将来の遺伝子治療・再生医療のための基盤技術となる遺伝子デリバリーに関する研究・教育も行います。

担当教員: 原島秀吉井関健紙谷浩之菅原満武隈洋山口浩明
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