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1)炎症性腸疾患の病因、病態解明と新しい治療法の開発炎症性腸疾患(IBD)と総称される潰瘍性大腸炎やクローン病は、主に若年者に発症する難治性炎症性で、国の難病指定を受けています。この病気は先進国に多い疾患とされてきましたが、最近わが国においてもその患者数が著しく増加しています。IBDの真の原因は不明であり、根治的治療も確立していません。私たちは、サイトカインの一種であるマクロファージ遊走阻止因子(MIF)、熱ショック蛋白(HSP)、抑制性NK受容体などに焦点を当てて、IBDの病態解明と新しい治療法の開発を行っています。
2)癌細胞の低酸素適応応答機構の解析と癌治療への応固形癌ではそのサイズが増大するに伴い血流不足が起こり、癌細胞は低酸素状態にさらされています。低酸素下では転写因子HIF-1が発現し、遺伝子発現を介して癌細胞の生存を促進し、癌治療に抵抗性をもたらします。私たちは、HIF-1を中心とした低酸素適応応答の分子機構を解析することにより、癌治療に応用できる新規ターゲット分子の探索を行っています。
3)食欲不振、栄養不良の病態解明と新しい治療法の開発近年、先進国では肥満やメタボリック症候群が話題になっています。しかし一方で、医療の現場では食欲不振や栄養不良は依然として大きな問題です。私たちは食欲ホルモンであるグレリンに焦点を当てて、食欲不振や栄養不良の病態解明、新しい治療法の開発を行っています。
4)薬学〜医学連携の実証的研究
現在、わが国の薬学教育は大きなパラダイムシフトの中にあります。臨床を指向した6年制薬学教育が開始され、研究対象もモノからヒトへの転換が求められています。私たちは、北海道大学病院と緊密な連携をとり、薬学〜医学の共同研究を進めています。 |