菊川 峰志 生命融合科学コース
生物情報解析科学研究室

講師

菊川 峰志
(きくかわ たかし)

研究タイトル
膜輸送担体の生物物理学
研究キーワード
レチナール蛋白質、膜蛋白質、イオン膜輸送、トランスポータ
担当科目
生命科学実習/生命科学論文購読
所在
理学部2号館806室
電話番号
011-706-3435
E-Mail
ホームページ
http://www.lfsci.hokudai.ac.jp/labs/infana/



研究内容
  細胞膜には、物質の取り込みや排出、あるいは、外界の情報の受け入れなど、細胞活動に必須の多くの役割があります。これらの機能は、主として、細胞膜に存在する膜蛋白質によって実現されています。私達は、このような膜蛋白質のうち、微生物型ロドプシンと、細菌の多剤排出トランスポータに焦点をあてて、これらの動作原理の解明を目指した研究を、分子生物学と生物物理学の手法を用いて行っています。

(1)微生物型ロドプシン:ロドプシンは,高等動物の網膜に存在する,光センサーとして働く膜タンパク質です.このロドプシンと良く似たタンパク質が,微生物界にも広く分布していることが,ここ10年ほどの間に,相次いで明らかとなってきました.これら微生物型ロドプシンファミリーの興味深い特徴は,光センサーだけではなく,光で駆動される様々なイオン輸送担体を含んでいる点です.私達は、高度好塩菌の光駆動Cl-ポンプであるハロロドプシン、海洋性真正細菌の光駆動H+ポンプであるプロテオロドプシンの機能発現機構を研究しています。

(2)細菌の多剤排出トランスポータ:ほぼ全ての生物種の細胞膜には、様々な毒物を認識し、細胞外へ排出する多剤排出蛋白質が存在しています。構造上相関の無い多様な薬物の認識/排出メカニズムの解明は、分子科学の面から、興味深い研究課題です。私達は、細菌のもつ、小型の多剤排出蛋白質、SMR(small multidrug resistance) familyを対象として、その膜内トポロジーと機能メカニズムの研究を行っています。
メッセージ
生命現象の多くを本質的に担っているのは、タンパク質分子です。分子量が僅か数万のタンパク質分子が、人工的な機械と同等か、それ以上の機能を有する秘密は何処にあるのでしょうか?タンパク質分子の動作原理の解明を通して、この謎に迫りたいと考えています。

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