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光を用いた計測は、生体に対し非侵襲的でかつ高感度、高空間分解能である。この特徴を生かし、細胞あるいはそれ以下のレベルで広く応用されている。しかし、高次な機能を持つ生体の理解のためには、生きたままで組織以上のレベルの計測が求められる。このような系に光計測を応用するためには、光学測定自身の問題点を解決する必要がある。そのために、ミクロのレベルからマクロのレベルまでをつなぐための生体光計測法を研究している。
組織レベルでの光伝播特性の解析と応用
組織レベルでは光は強く散乱され通常の透明な試料と異なり定量的測定が難しい。そのために、光伝播を特徴付ける組織の散乱吸収特性を解析している。特に、光透過性が良く、またヘモグロビンなどの影響が少ない 1μmより長い波長域の生体組織の光学特性の解析とその領域の応用を研究している。また強い散乱のもとでの定量的解析法も基礎的な実験や計算機によるシミュレーションを用い検討している。
蛍光あるいは燐光を用いた高感度計測
分子レベルでの挙動を追うためには、発光を用いた計測が有効である。特に、組織の中での挙動の解析に応用するための基礎として、組織の自家蛍光特性を時間領域から計測し解析しています。またプローブとなる蛍光色素を組織に導入したときに起こる問題を解析するために、溶液中での色素の物理化学的特性とそれが計測に与える影響を解析している。さらに、強い散乱下での発光の定量的測定法を研究している。
相関分光法を用いた、粒子などの動的特性の解析
散乱光のゆらぎ、あるいは蛍光強度のゆらぎを解析し、組織を構成する粒子の動きに関する情報を解析します。 |