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粘膜免疫における抗菌ペプチドのはたらき
私たちは、粘膜免疫において微生物と宿主の上皮細胞とのクロストークに関わる自然免疫担当細胞および分子の機能を研究しています。まず、正常な生命活動を維持している細胞や分子のはたらきを理解する必要があります。そのために、粘膜免疫における重要な防御因子である抗菌ペプチドの遺伝子解析、免疫学的、生化学的解析等によって抗菌ペプチドのはたらきを解明します。
自然免疫を担当するPaneth細胞の生物学
私たちは、消化管上皮細胞のひとつであるPaneth細胞がαディフェンシンという抗菌ペプチドを感染刺激に反応して分泌することを明らかにしました。そして、単離腸陰窩および単離消化管上皮細胞を用いたex vivoアッセイ系を確立し、感染の認識から内因性抗菌ペプチドの産生、活性化、分泌までに関わる細胞内外の情報伝達系を含むさまざまな分子のはたらきを解析しています。粘膜免疫の新たな概念の確立に繋がる研究成果をめざしています。その先には、疾病の発症や進展における自然免疫担当細胞や担当分子の関与を解明することによって、疾病の克服に寄与することを見据えています。
炎症性腸疾患の病因・病態解明と新規治療の研究開発
炎症性腸疾患と総称される潰瘍性大腸炎とクローン病は、我が国を含めて世界的に患者数が増加しており、病因が不明であり根本的治療法は未だにありません。私たちは、病因・病態の解明をめざして、微生物と宿主の抗菌ペプチド、特にPaneth細胞αディフェンシンとのクロストークを解析しています。また、Paneth細胞の自然免疫関連分子や腸上皮幹細胞と再生・分化因子をターゲットとした新しい治療法を研究開発しています。高齢化社会、グローバル社会における新たな治療法として、感染症をはじめとする難治疾患に対する抗菌ペプチドの実用化研究を行っています。
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