Photo 生命システム科学コース
形態機能学第3研究室
(加藤敦之研究室)

教授

加藤 敦之
(かとう あつし)

研究タイトル
植物における遺伝子発現制御機構の解析
研究キーワード
分子遺伝学、遺伝子構造、転写と翻訳、RNA分子、後生的遺伝、植物 研究内容
担当科目
生命科学実習/生命科学論文講読/細胞機能学概論/環境応答システム学特論
所在
理学部5号館・5-7-06室
電話番号
011-706-4468
E-Mail
ホームページ
https://www.sci.hokudai.ac.jp/grp/keitai/sci.hokudai/KeitaiIII_mail.htm



研究内容
  陸上植物・藻類などを材料として、遺伝子の存在様式と発現制御機構の解析などを行うことで、多細胞体の成長と形態形成に関わる仕組みを研究しています。

Non-coding RNA
RNA分子にはタンパク質の情報を持つ物と持たない物があり、後者の代表としてrRNA, tRNAなどがあげられます。しかし最近になって、タンパク質情報を持たないRNA分子が非常に多数見つかってきました。これらのRNA分子は遺伝子発現の制御に関わっていると考えられますが、その働きは一部を除いて明確ではありません。シロイヌナズナを材料として、変異体を使用した遺伝学的手法と、逆遺伝学的手法を利用して、このようなRNA分子がどのように機能しており、どのような生命現象に関係しているかを調べています。


後生的遺伝
形質として現れる遺伝情報はDNAの配列のみに依存するわけではなく、DNA塩基の修飾やクロマチン全体の構造などにも依存します。また、このような情報は細胞分裂を経て、嬢細胞に伝わっていきます。このような現象は後生的遺伝と呼ばれます。先に述べたnon-coding RNAがDNAのメチル化やクロマチンの再編成を引き起こし、後生的遺伝を引き起こす情報を作り出す経路が考えられています。植物において、どのような情報が後生的に遺伝するのか、そしてその機構はどのようになっているのか調べようとしています。

RNA結合タンパク質
上に述べたようなRNA分子の色々な働きは、RNA分子単独ではなく、タンパク質との複合体によって行われていると考えられます。シロイヌナズナではRNA結合タンパク質に関して多くの種類の遺伝子が知られており、動物などの遺伝子と相同性が観察されない物もあります。これらの遺伝子とそのタンパク質産物の機能を調べ、生命現象におけるRNAの機能に関する理解を深めようとしています。
メッセージ
植物の色々な性質が形質として現れるために、どのような遺伝情報がどのように働いているのか、その一端を理解することを目指しています。

閉じる