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クロロフィル代謝 クロロフィルは光エネルギーを捕捉し、化学エネルギーに変換することによって、植物のエネルギー代謝の最も中心的な役割を果たしています。しかし、クロロフィル代謝は単にエネルギー代謝に必要なクロロフィルの供給に限定されているのではなく、老化や常緑化、成長の抑制や細胞死など様々な現象と深く関わっていることが次第に明らかになってきました。私は、クロロフィル代謝とそれらを調節する遺伝子を網羅的に単離しクロロフィル代謝経路を完成させることを大きな目的としています。また、この成果を基に、クロロフィル代謝が持つ多様な機能と役割も明らかにしたいと考えています。 光合成の環境適応 光合成は光を必要としますが、光が強すぎても傷害を起こしてしまいます。そのため、光環境に適した光化学系を構築しなければなりません。特に、光エネルギーを捕捉する集光装置は、厳密に制御されなければなりません。私はどのような仕組みで集光装置の大きさが制御されているのかを調べています。また、遺伝子光学的に集光装置の大きさを改変した植物の作成にも取り組んでいます。 光合成の進化 光合成による酸素発生は地球環境を大きく変えました。しかし、どのような過程で地球上に最初に現れた光合成細菌が出現し、その後酸素発生型の光合成や葉緑体が誕生したのかは不明です。私は、分子系統学的解析と実験進化学的手法を用いて、多様な光合成の進化を調べています。特に、実験進化学的な手法を用いて、光合成進化の生化学的過程の解明を目指しています。 |