Photo 生命システム科学コース
生物適応機構学研究室
(田中歩研究室)

教授

田中 歩
(たなか あゆみ)

研究タイトル
色素系からみた光合成の環境適応と進化
研究キーワード
光合成、進化、環境適応、クロロフィル、代謝調節、老化、集光装置、シロイヌナズナ、シアノバクテリア
担当科目
生命科学実習/生命科学論文講読/細胞機能科学概論/環境応答システム科学特論
所在
低温科学研究所・111室 101室
電話番号
011-706-5493
E-Mail
ホームページ
http://www.lowtem.hokudai.ac.jp/plantadapt/ayumi/



研究内容
  クロロフィル代謝 クロロフィルは光エネルギーを捕捉し、化学エネルギーに変換することによって、植物のエネルギー代謝の最も中心的な役割を果たしています。しかし、クロロフィル代謝は単にエネルギー代謝に必要なクロロフィルの供給に限定されているのではなく、老化や常緑化、成長の抑制や細胞死など様々な現象と深く関わっていることが次第に明らかになってきました。私は、クロロフィル代謝とそれらを調節する遺伝子を網羅的に単離しクロロフィル代謝経路を完成させることを大きな目的としています。また、この成果を基に、クロロフィル代謝が持つ多様な機能と役割も明らかにしたいと考えています。 光合成の環境適応 光合成は光を必要としますが、光が強すぎても傷害を起こしてしまいます。そのため、光環境に適した光化学系を構築しなければなりません。特に、光エネルギーを捕捉する集光装置は、厳密に制御されなければなりません。私はどのような仕組みで集光装置の大きさが制御されているのかを調べています。また、遺伝子光学的に集光装置の大きさを改変した植物の作成にも取り組んでいます。 光合成の進化 光合成による酸素発生は地球環境を大きく変えました。しかし、どのような過程で地球上に最初に現れた光合成細菌が出現し、その後酸素発生型の光合成や葉緑体が誕生したのかは不明です。私は、分子系統学的解析と実験進化学的手法を用いて、多様な光合成の進化を調べています。特に、実験進化学的な手法を用いて、光合成進化の生化学的過程の解明を目指しています。
メッセージ
光合成色素の代謝系の解析を通じて、光合成の歴史(進化)や多様な環境への適応の解明を目指しています。平成17年度から5年間の計画で「地球環境を支える光合成酸素発生系の解明_反応機構、獲得、継承」(代表 三室守・京都大学)のプロジェクトがはじまりました。私は、再現実験によって光合成の進化の過程を明らかにしたいと考えています。

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