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不斉四級炭素を持つ環状化合物の効率的・選択的合成に成功~医薬品や機能性有機材料の合成への応用に期待~

北海道大学大学院薬学研究院の佐藤美洋教授,大西英博准教授らの研究グループは,容易に入手可能なロジウム(Rh)触媒を用いて,単純な鎖状の化合物(エニン)から不斉四級炭素を持つ環状化合物を効率的かつ選択的に合成する方法を開発しました。

医薬品や機能性有機材料などの有用化合物の中には,不斉四級炭素を持つ環状化合物が数多く存在しており,これらの化合物を効率的かつ片方の鏡像異性体だけを合成する手法の開発が求められてきました。しかし,実際には四級炭素自体の構築が困難なことが多く,その化合物の片方の鏡像異性体だけを選択的に合成する手法の開発は発展途上とされています。

本研究では,容易に調製可能な光学活性な配位子(Ln*)を持つロジウム触媒とエニンとを反応させると,不斉四級炭素を持つ環状化合物が高収率かつ高選択的に得られることを明らかにしました。この反応では,ロジウムを含む環状の中間体であるローダサイクルが形成され,これが選択的かつこれまで報告例のない特異な反応を起こすことで,不斉四級炭素の構築が可能になりました。今後,医薬品や機能性有機材料などの有用化合物の効率的な合成法として,本反応が利用されることが期待されます。

なお,本研究成果は2019年4月24日(水)公開のAngewandte Chemie International Edition誌に掲載されました。

論文情報
論文名 Rhodium(I)-Catalyzed Enantioselective Cyclization of Enynes via Intramolecular Cleavage of the Rh-C Bond by a Tethered Hydroxy Group(ロジウム触媒を用いたヒドロキシ基によるロジウム-炭素結合の分子内切断を経由するエニンの不斉環化反応)
著者名 大西英博1,増﨑修一1,坂本駿希1,佐藤美洋1(1北海道大学大学院薬学研究院)
雑誌名 Angewandte Chemie International Edition(ドイツ化学会誌)
DOI 10.1002/anie.201902832
公表日 2019年4月24日(水)(オンライン公開)

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