北海道大学 大学院 生命科学院
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血清尿酸レベルに関わるタンパク質hMCT9の機能を解明~細胞外pH及びNa+感受性のクレアチントランスポーター~

北海道大学大学院生命科学院博士課程・日本学術振興会特別研究員の二木悠哉氏,同大学大学院薬学研究院の井関 健教授らの研究グループは,機能未知のタンパク質の 一つ であるヒトモノカルボン酸 1 輸送体 hMCT9 の基質  とその輸送特性を明らかにしました。

ヒトモノカルボン酸輸送体hMCTs は,細胞膜を介した種々のモノカルボン酸の輸送に関与するトランスポーター です。近年の研究で hMCTs の 1 種である hMCT9 が血清中の尿酸レベルと
関連することが明らかとなってきました。しかし, hMCT9 の機能そのものに関する報告は乏しく,hMCT9 が 輸送する基質やその輸送特性については明らかにされていませんでした。

そこで研究グループは,アフリカツメガエル卵母細胞を用いた hMCT9 の輸送活性評価系を利用し, hMCT9 が細胞外 pH 及び Na 感受性のクレアチントラン スポーターであることを明らかにしました。

本研究は,血清尿酸レベルの関連タンパク質であるhMCT9 の基質と輸送特性に新たな知見を与えるもので 将来的に, hMCT9 が医薬品の新たな標的分子となることが期待されます。

なお,本研究成果は20 19 年 11 月 26 日 火 公開の Biochemical and Biophysical Research Communications 誌に掲載されました。

また,本研究は日本学術振興会科研費JP17J00013 の助成を受け実施されました。

論文情報
論文名 Molecular characterization of the orphan transporter SLC16A9, an extracellular pH- and Na+-sensitive creatine transporter(オーファントランスポーターSLC16A9 を介した細胞外pH,Na+感受性クレアチン輸送の分子特性解析)
著者名 二木悠哉 1,2,鳴海克哉 3,古堅彩子 3,小林正紀 3,井関 健 3(1 北海道大学大学院生命科学院,2日本学術振興会特別研究員-DC ,3北海道大学大学院薬学研究院)
雑誌名 Biochemical and Biophysical Research Communications(生化学,生物物理学の専門誌)
DOI 10.1016/j.bbrc.2019.11.137
公表⽇ 2019 年 11 月 26 日(火)(オンライン公開)

2019/11/29 プレスリリース ダウンロード

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