北海道大学 大学院 生命科学院
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超高速で色が変わる構造色ゲルを開発 ~新たなカラーディスプレイ方式を提案

北海道大学大学院先端生命科学研究院の龔(グン)教授らのグループは,力学刺激によって超高速で色が変わるゲルを開発しました。ゲルとは,ゼリーやこんにゃくのような,内部にたくさんの水を含んだ柔らかい材料です。本ゲルは,変形の大きさに応じて赤~青までのフルカラーレンジ発色が可能,1ミリ秒という極めて速い応答速度,0.01mm(髪の毛のサイズ)の空間分解能などの特徴を有しています。このゲルは,バックライト不要の新方式のカラーディスプレイ,水中でも使える高速応答圧力センサーなどとして利用可能と考えられます。
本ゲルには色素は一切含まれておらず,代わりに細胞膜のような脂質二分子膜が100nm 程度の間隔で規則的にゲルの中に積層しています。この周期的な膜構造が反射板として機能し,特定の波長の光だけが強く反射されるため,膜の周期に対応した色が生じます。玉虫や熱帯魚の表面に色が付いて見えるのと同じ原理で,これを構造色と呼びます。ゲルは非常に柔らかい材料なので,変形させると膜の周期が変わり,従ってゲルの色も変わるのです。同様の仕組みで色が変わるゲルは従来もありましたが,応答速度が極めて遅く,ディスプレイなど動画を表示する用途には不向きでした。
今回,ゲル中の脂質二分子膜を細かく分割することにより,ハイエンド液晶ディスプレイと同程度の超高速応答を実現しました。

図2

 

 

 

 

生命融合科学コース 龔 剣萍(グン チェンピン)教授 ソフト&ウェットマターの研究室

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